2023年9月実施 スタッフの愛犬ゆずちゃんの実際の報告書

当院では年2回の健康診断を推奨しています。
春(~夏)は血液検査、秋(~冬)は画像診断を含めた総合健診をおすすめします。

スタッフの愛犬ゆずちゃんの健康診断の様子はこちらをクリックorタップ。
ゆずちゃんの健康診断で見つかった病気の再診結果はこちら
ゆずちゃんの健康診断で見つかった病気の外科的治療に関してはこちら。※臓器写真あり。苦手な方は開かないでください。

わんちゃん総合健診



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シンプルコース

7歳未満のわんちゃんにおすすめ

14,000

15,400(税込)


20kg以上:16,500 (18,150(税込))

一般身体検査

尿検査(院内検査)

便検査(直接法)

一般血液検査

胸部・腹部レントゲン検査

スタンダードコース

7歳以上のわんちゃんにおすすめ

21,000

23,100(税込)



20kg以上:23,500(25,850(税込))

一般身体検査

尿検査(院内検査)

便検査(直接法・浮遊法

一般血液検査+白血球百分比

胸部・腹部レントゲン検査

炎症マーカーCRP
(血液検査)

腹部エコー検査

プレミアムコース

幅広く検査してあげたい飼い主様におすすめ

29,000

31,900(税込)

 

20kg以上:30,500(33,550(税込))

一般身体検査

尿検査

(院内検査・尿たんぱく検査(UPC)

便検査(直接法・浮遊法

一般血液検査+白血球百分比

胸部・腹部レントゲン検査

炎症マーカーCRP
(血液検査)

腹部エコー検査

甲状腺ホルモン測定

(血液検査)

血圧測定

眼圧測定

腎機能低下の早期発見を目的としてのSDMA測定を犬では推奨しないことにしました。総合健診の項目にも入れておりません。理由はこちらです。今まで測定していたので継続して測定したいというご希望があれば測定も可能です。(追加料金がかかります)

心臓病(主に僧帽弁閉鎖不全症)かどうかが心配という飼い主様も多いかと思います。当院では、わんちゃんの場合は心雑音と心拍数で詳しい検査の必要性を検討し、必要があればレントゲン検査・心エコー検査を行うことを推奨しています。血液検査(バイオマーカー)は信頼性が低いと考えているので、検診的に使うことは推奨しておりません。咳などの症状が、呼吸器疾患なのか循環器疾患なのかを鑑別するためにおすすめすることはあります。

ねこちゃん総合健診



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シンプルコース

元気すぎて怒ってしまう若い猫ちゃんにおすすめ

11,000

12,100(税込)

一般身体検査

尿検査(院内検査)

便検査(直接法)

一般血液検査

腎機能マーカーSDMA(血液検査)


スタンダードコース

前年プレミアムコースで正常だった若い猫ちゃんにおすすめ

20,000

22,000(税込)

一般身体検査

尿検査(院内検査)

便検査(直接法・浮遊法

一般血液検査+白血球百分比

腎機能マーカーSDMA(血液検査)

甲状腺ホルモンT4(血液検査)

胸部・腹部レントゲン検査

血圧測定


プレミアムコース

全ての猫ちゃんにおすすめ

25,000

27,500(税込)

一般身体検査

尿検査

(院内検査・尿たんぱく検査(UPC)

便検査(直接法・浮遊法

一般血液検査+白血球百分比

腎機能マーカーSDMA(血液検査)

甲状腺ホルモンT4(血液検査)

胸部・腹部レントゲン検査

血圧測定

心臓バイオマーカーNT-proBNP


(血液検査)

猫ちゃんの総合健診の推奨プランの中にエコー検査は入れませんでした。
病気ではない元気な猫ちゃんのエコー検査を行おうとしても、暴れてしまってできないことが多いからです。健診目的でのエコー検査をご希望の場合は、飼い主さまと一緒に行いますのでご相談ください。

また、採尿は院内でカテーテル導尿や膀胱穿刺で行うことも可能ですが、細菌感染や出血のリスクがありますのでご自宅で採尿していただくことをおすすめしています。手軽に尿検査を行うという観点から、当院ではシステムトイレの利用をおすすめします。
システムトイレであれば、ペットシーツを敷かないことでトレイに尿がそのまま溜まります。猫ちゃんが普段通りにトイレを使うだけで尿検査が可能です。

猫ちゃんも心臓病(心筋症)が心配という飼い主様が多くいらっしゃると思います。猫ちゃんはエコー検査が難しいですが、犬とは異なり心臓バイオマーカーの信頼性が高いです(感度85-90%、特異度95-100%程度)。
残念ながら猫ちゃんの心筋症には無症候の段階で生存期間を延長することが証明された治療法がありませんが、心筋症を患っているかどうかを知っておくことは重要です。

心臓病の子に対し、胃腸炎などで皮下補液を行った場合に心不全(肺水腫や胸水)のリスクがあるのは犬も猫も同様ですし、猫ちゃんの場合は皮膚病などに対するステロイド剤の使用でも心不全症状を引き起こす可能性が知られています。
心臓病以外の疾患の治療で心不全の引き金を引いてしまって最悪亡くなってしまうリスクがあります。事前に心臓病であることがわかっていればそういったリスクを回避することができます。

NT-proBNPが高値の場合は、心エコー検査を行い形態的異常を確認します。心筋肥大などの肥大型心筋症(※フェノタイプ)を認める場合は半年ごとを目安に定期検査を行います。心房拡大・上室頻拍・心房細動など、血栓症や心不全のリスクが高まっていると判断されれば治療開始が推奨されます。
9歳以上の猫では約3割の猫に心筋症を認めるという報告もありますし、若齢での診断報告も少なくありません。
猫ちゃんの健康診断はプレミアムコースをおすすめいたします。

※肥大型心筋症フェノタイプ:形態異常だけでは肥大型心筋症(進行性の治らない病気)とは確定できず、その他の可逆性の心筋肥大を除外する必要があります(例:高血圧、甲状腺機能亢進症など)。
一過性なものも含めた心筋肥大を「肥大型心筋症フェノタイプ」と呼びます。

当院の血液検査の特徴

外注検査も院内検査も参考基準値が同じ

当院の院内血液化学検査機器は富士フイルムのドライケムです。健康診断の血液検査は院内測定いたしませんが、基本的に富士フイルムに外注します。(院内で測定できない特殊項目は様々な検査センターを利用します。)
富士フイルムでは、外注検査でも院内機器測定でも参考基準値が同じです。
動物病院で、「院内検査と外注検査で参考基準値が異なるので経過を単純比較できない」と言われたことはないでしょうか。
当院ではそのようなことはありません。
※測定法が変わることで経年の単純比較ができなくなることはあり得ます。動物医療独自の測定法を人医療の測定法に合わせるなどで測定法が変わることがあります。

過去の結果を一覧表示

単年の検査結果だけもらっていませんか?マメな飼い主様で過去の結果をしっかり保管できている方でも、全部広げて過去からの経過を見るのは難しいのではないでしょうか。当院の血液検査結果は過去6回分程度を一覧表示できます。夜間救急や二次診療にかかる際にも過去の血液検査の経過が一覧できる書類があるのは安心です。

腎機能マーカーSDMAに関して

SDMAは猫では腎機能低下を早期に発見するのに有用なマーカーですが、犬では一般血液検査で測定するクレアチニンとの比較で、感度・特異度ともに変わらないという論文が発表されています。
私の少ない経験の中での印象としても同様です。当院では健診目的でSDMAを測定するのは基本的に猫のみといたします。SDMAやその他の腎機能マーカーであるシスタチンCは、補助的追加検査として犬でも測定することがあります。

SDMAに関する論文は複数ありますので、何を根拠に診療を行うのかは臨床獣医師の判断になります。現在の当院はこういう方針だというだけであって、他院の方針を否定するものではありません。

当院の画像診断の特徴

デジタルX線検査(DR)

X線フィルムやコンピューテッド・ラジオグラフィ(CR)と比較して、「高速」「安全」「高品質」であることが特徴です。
以下はうちのぽんちゃん(猫)の胸部レントゲン写真です。

超音波診断装置 ARIETTA 65V

ARIETTAは心臓検査用のセクタプローブが小さくて検査がしやすいです。
静止画だとちょっとわかりづらいですが、以下はうちのぽんちゃん(猫)の右傍胸骨左室長軸流出路像です。大動脈弁逆流を認めます。