
パテラの手術を検討されている飼い主さまへ
「膝蓋骨脱臼(パテラ)と診断された」
「歩いている途中で後ろ足を上げる、スキップすることがある」
「グレードが高いので手術をすすめられた」
「手術のできる動物病院を探している」
「かかりつけの動物病院では整形外科手術に対応していない」
このような場合にはご相談ください。
はら動物病院では、整形外科手術の経験豊富な提携獣医師を招聘し、当院内で犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)に対する手術を行っています。
初回診察、術前検査、手術、入院、術後の経過観察まで当院で対応します。
膝蓋骨脱臼(パテラ)とは
膝蓋骨は、いわゆる「膝のお皿」です。
正常では大腿骨にある溝の中を滑るように動きますが、この膝蓋骨が内側または外側へ外れてしまう状態を膝蓋骨脱臼といいます。
特に小型犬では、内側へ外れる「膝蓋骨内方脱臼」が多くみられます。
症状には、
・歩いている途中で突然後ろ足を上げる
・数歩スキップした後、普通に歩き始める
・後ろ足を伸ばした後に歩き方が戻る
・びっこをひく
・運動を嫌がる
・立ち上がりにくい
・後ろ足の形が曲がって見える
などがあります。
一方で、膝蓋骨が外れていても、ほとんど症状を示さない犬もいます。
パテラはすべて手術が必要なのでしょうか?
膝蓋骨脱臼があるからといって、すべての犬に手術が必要なわけではありません。
一般的には、
・痛みや跛行(びっこ)などの症状がある
・骨格の変形が進行している
・成長期で、今後変形が進む可能性が高い
・前十字靱帯断裂など、ほかの膝関節疾患を併発している
といった点を考慮して手術の必要性を判断します。
「グレード○だから必ず手術」「グレードが低いから手術は不要」と、グレードだけで決めるものではありません。
年齢、症状、犬種、体格、活動性、骨格の変形、ほかの膝関節疾患の有無などを総合して判断することが大切です。
膝蓋骨脱臼のグレード
膝蓋骨脱臼は、一般的にグレード1~4に分類されます。
グレード1
通常は正常な位置にあり、診察時に押すと脱臼しますが、手を離すと自然に元へ戻ります。
グレード2
普段は正常な位置にあることもありますが、日常生活の中で繰り返し脱臼します。
歩いている途中で突然後ろ足を上げ、しばらくすると普通に歩き始める、といった症状がよくみられます。
グレード3
膝蓋骨が普段から脱臼しており、手で戻すことはできますが、再び脱臼してしまいます。
グレード4
膝蓋骨が常に脱臼しており、手で正常な位置に戻すことができません。
グレードが高くなるほど骨格の変形を伴うことが多くなりますが、手術の必要性はグレードだけでなく、症状や骨格全体をみて判断します。
パテラの手術では何をするのでしょうか?
膝蓋骨脱臼では、単純に「外れた膝蓋骨を元に戻す」だけでは再び脱臼してしまうことがあります。
膝蓋骨が正しい位置を通るように、原因となっている骨や軟部組織の異常を修正する必要があります。
膝蓋骨内方脱臼の外科手術は4つの術式を同時に行うことが標準的です。
・内側広筋と縫工筋前部の解放(膝蓋骨を内側に引っ張る筋肉を一部外します)
・内側支帯解放術、外側支帯強化術(内側に引っ張られている関節包のバランスを整えます)
・滑車溝形成術(膝蓋骨が収まっている溝を深くして外れにくくします)
・脛骨粗面転移術(内側にズレている膝蓋靱帯の付着部を真っすぐな位置に修正します)
下のレントゲン写真は左が術前、右が術後です。左は内側にややズレているのが右は真っすぐになっています。
このような繊細な調整を行うには熟練の技が必要です。

当院のパテラ手術
当院では、AMUSE動物運動器外科サービスの高瀬雅行先生を中心とした提携獣医師に整形外科手術を依頼しています。
高瀬先生は全国の動物医療センター・動物病院で整形外科手術を執刀されています。
【2025年 整形外科手術執刀実績】
年間557件
・骨折関連 158件
・前十字靱帯損傷 159件
・膝蓋骨脱臼 159件
・脱臼関連 43件
・その他 38件
当院では、整形外科手術を日常的に行っている獣医師に執刀を依頼する体制をとっています。
すでに他院でパテラと診断されている方へ
かかりつけの動物病院などで、
「膝蓋骨脱臼があります」
「パテラの手術を検討してください」
「グレード2、3、4です」
などの説明を受けている場合にもご相談いただけます。
前医で撮影したレントゲン画像や血液検査結果などがあればお持ちください。
紹介状がなくても受診していただけます。
初診時に診察と資料の確認を行い、必要に応じて追加のレントゲン検査などを行います。
まだ手術が必要か分からない方へ
「パテラがあると言われたけれど、本当に手術が必要なのか分からない」
という段階でもご相談いただけます。
パテラは、存在するだけで必ず手術が必要な病気ではありません。
現在の症状、脱臼の程度、年齢、骨格の変形などを確認し、経過観察が可能なのか、手術を検討した方がよいのかをご説明します。
前十字靱帯疾患を併発することがあります
膝蓋骨脱臼のある犬では、前十字靱帯疾患を併発することがあります。
特に、以前からパテラがある犬が突然強いびっこを示した場合には、単に「パテラが悪化した」とは限りません。
前十字靱帯の部分断裂や完全断裂など、別の膝関節疾患が起きていないか確認することも重要です。
前十字靱帯断裂を併発している場合には、パテラ手術だけではなく、TPLOなど別の手術を同時に検討することがあります。
【犬の前十字靱帯断裂・TPLOについて詳しく見る】
初診から手術までの流れ
まず当院の一般外来を受診していただきます。
診察
↓
歩き方や膝関節の状態を確認
↓
必要に応じてレントゲン検査などを実施
↓
手術適応・術式を検討
↓
手術方法、費用、合併症、術後管理についてご説明
↓
提携獣医師と手術日程を調整
↓
手術・入院
↓
退院後の経過観察
安全に手術を行うため、初回来院なしで手術日のみ予約することはできません。
手術料金の目安
5kg未満の小型犬では、術前検査から手術・退院までで40万円前後が一つの目安です。
体重、脱臼の程度、必要な術式、使用するインプラント、入院日数などによって料金は変わります。
重度の骨格変形があり、通常のパテラ整復術に加えて骨切り術などが必要になる場合には、費用も異なります。
術後の通院費用は含まれていません。
初診時に状態を確認したうえで、より具体的な費用をご説明します。
パテラ手術に伴う主なリスク
膝蓋骨脱臼の手術では良好な機能回復が期待できることが多い一方、すべての外科手術と同様に合併症の可能性があります。
主なものとして、
・膝蓋骨の再脱臼
・感染
・出血
・インプラントに関連するトラブル
・骨癒合の遅延
・脛骨粗面などの骨折
・術後の跛行や関節炎
・再手術が必要になる可能性
などがあります。
また、全身麻酔にも年齢や基礎疾患に応じたリスクがあります。
両足ともパテラがある場合
両側の膝蓋骨脱臼がみられる犬も少なくありません。
両側とも手術が必要な場合に、同時に手術を行うのか、左右を分けて手術するのかは、犬の体格、脱臼の程度、骨格の変形、術後管理のしやすさなどを考慮して判断します。
診察後に個別にご相談します。
術後について
パテラ手術では、手術が終わればすぐに治療終了というわけではありません。
退院後には運動制限を行いながら、傷口の状態、歩き方、骨の治癒などを定期的に確認します。
必要に応じてレントゲン検査を行い、徐々に運動量を戻していきます。
術後の生活についても退院時に詳しくご説明します。
ご予約・受診方法
初回診察は通常の一般外来として受診してください。
オンライン受付時のメモ欄に、
「パテラ手術の相談」
「膝蓋骨脱臼の手術相談」
などとご記入いただけるとスムーズです。
前医で撮影したレントゲン画像、血液検査結果、投薬内容、紹介状などがあればお持ちください。
整形外科手術について
前十字靱帯断裂、骨折、大腿骨頭切除術など、その他の整形外科手術についても対応しています。
