犬の心疾患に伴う咳

愛犬が咳をしているのは心配ですよね。
わんちゃんの慢性的な咳は呼吸器疾患が原因のこともあれば、心拡大の影響が関与していることもあります。
よくあるのは、気管支軟化症に心拡大が悪化要因として関与している場合で、気管支軟化症は基本的に治りません。

治らない咳も多いのですが、軽度な心疾患のわんちゃんの咳は内服薬である程度改善することが多いようです。

EPIC STUDYとVALVE STUDYいう論文が発表されてからは処方することが少なくなっているACE阻害剤(血管拡張薬)ですが、軽度な心疾患を持つ発咳症例に使用すると咳の改善が期待できるようです。
機序はまだあまりよくわかっていないようですが、ACE阻害剤は副作用が少ないため試してみる価値はあります。人医療では空咳の副作用が問題となる薬ですが、犬猫ではほとんど認めません。
ACE阻害剤には多くの種類がありますが、咳に対しての有効性が示されているものと不明なものがあります。

慢性発咳は良くならないことも多いですが、愛犬の発咳でお困りの飼い主様はご相談ください。

※肺水腫に伴う発咳や呼吸困難といった重度な状態の改善が期待できる薬ではありません。