猫が猫らしくあるために

開業してから今のところ前職よりも確実に暇です。
じゃあボーっとしているのかというとそんなこともなくて、コロナで一気にwebセミナーが増えましたのでそういうので日々勉強しています。開業1年生なので診療を休んで学会に、というのはなかなか難しいのでwebセミナーは大変ありがたいです。

最近聴講したwebセミナーの中に、猫の行動学セミナーがありました。
猫ちゃんはストレスでお腹をなめすぎてしまって被毛がなくなってしまったり、ひどいと血がにじんだりします。また、ストレス性の膀胱炎もあります。
行動学のセミナーの中で先生がお話されていたのは、「猫が猫らしく過ごせる環境にしてあげましょう」ということですね。
狩りをする肉食獣ですから、狩りに近いような遊びが日常の中にないといけないですのでおもちゃの工夫のお話なんかもありました。
それはちょっとここで説明するのは難しいので、今回お伝えしたいのは...

広いトイレにしてあげましょう!

ということです。

トイレの後に走り回るねこちゃんいますよね。インターネット上では「トイレハイ」とか言われたりしていますが、行動学の先生によるとトイレが快適ではないことが原因かもしれないそうです。
正常な外での排泄行動は、割と開けた場所で排泄して、その後結構長い時間地面をほじくり返しているそうです。排尿・排便の後で猫砂を長いことガサガサほりほりしているのは、トイレが快適な証拠みたいですよ。
行動学の先生によると、不衛生になりがちなシステムトイレよりも都度片づけるトイレの方が望ましく、また猫砂は小さい粒の鉱物砂を好む猫ちゃんが多いそうです。
ただ、一般臨床獣医師である私からすると、やはりシステムトイレで採尿していただけるメリットは大きいので、行動学的な問題を抱えていないのであれば、なるべく大きいシステムトイレでも良いのではないかと思います。

トイレの大きさは猫ちゃんの体長の1.5倍以上が望ましいらしいです。
メインクーンやノルウェジアンなどの大型猫種は既存の猫用トイレでは小さいらしく、ホームセンターで購入できるプラ舟をトイレとして使用した方が良いらしいですよ。

そうはいっても住宅事情等あると思いますので、可能な範囲でということになるかと思います。そんなこんなで、うちのぽんちゃんのトイレを新調しました。
今までは子猫用だったので、システムトイレの大きいのにしてみました。ぽんちゃんは男の子なのですが体が小さめですし、特に行動学的問題があるわけでもないので、とりあえずはこれでいいかなと思っています。排泄後のホリホリも結構長いことしてますし。
猫の飼い主の皆様は、可能な範囲で猫ちゃんが猫らしく過ごせるように環境を整えてあげましょう。

過度なグルーミングやストレス性膀胱炎でお悩みの飼い主様は、設置できる範囲で可能な限り大きいプラ舟をトイレにしてみましょう!