レッグ・カルベ・ペルテス病(特発性大腿骨頭壊死症)

レッグ・カルベ・ペルテス病は、特発性大腿骨頭壊死症とも呼ばれる病気です。
「特発性」というのは原因不明ということです。
芸能人の坂口憲二さんや千原ジュニアさんがこの病気にかかられたことを公表していらっしゃいます。人だと大人が罹患する病気のようですが、動物では若齢小型犬の病気です。大腿骨頭が無菌性虚血性壊死を起こす病気で、血栓などが関与しているのではないかとも言われますが、人でも動物でも詳しい原因は不明です。

犬の場合、多くは10kg未満の小型犬で発症年齢中央値は7か月齢です。85%の症例は片側性です。
人では人工関節にするのだと思いますが、動物の場合はトップ写真の通り壊死した骨頭切除が一般的な治療法です。
四足歩行の小型犬なので関節にかかる負荷は人よりもはるかに小さいです。この部分を切除してしまっても生活に支障がない程度には機能が回復します。
症状が軽度で、かつ骨頭にレントゲン上の変化がない場合は、診断も難しいので安静・経過観察となることがあります。本症例の症状は軽度でしたが、①骨頭の扁平化②骨頚の肥大・不透過性亢進③関節間隙の拡大を認めるため、骨頭切除術を実施いたしました。

今回も、各種手術の執刀・指導をお願いしている桜の街どうぶつ病院の坂本先生に当院までいらしていただき、大腿骨頭切除術をご執刀いただきました。
坂本先生は同じグループ動物病院に勤務していたことがあり、当時も出張手術をしていただいておりました。そのころお願いした手術では、大変細い猫ちゃんの指の骨折を見事に治してくれたのが最も印象深いです。お互いに開業獣医師になった後もこうして助けていただけるのは本当にありがたいです。
当院は所属スタッフだけでなく、多くの専門性の高い獣医師の先生方にも支えられて成り立っております。

骨頭切除後はそのまま私が避妊手術も行いまして、翌日無事に退院してくれました。
どれくらい機能が回復するかは今後のリハビリにかかっていますので、飼い主様には頑張っていただく必要があります。

整形外科疾患で遠方の動物医療センターを紹介されたものの遠くて困るな、という当院近隣にお住まいの飼い主様がいらっしゃいましたら、是非はら動物病院までご相談ください。