前十字靭帯断裂と膝蓋骨内方脱臼の併発症例の手術例 Tplo-M
当院では、前十字靭帯断裂症例には、Amuse動物運動器外科サービスの高瀬先生にTPLOでの膝安定化手術をお願いしております。
今回の症例はグレード3の膝蓋骨内方脱臼を併発していたため、膝蓋骨脱臼の整復も同時に行っていただきました。
画像は右後肢です。手術前後は尾→頭側でレントゲン撮影を行いますが、わかりやすくするため画像を反転してあります。
膝蓋骨脱臼の整復として、膝蓋骨が収まる溝の造溝と内側の筋肉のリリース、関節包の縫縮も行っていただいておりますが、それに加えてTplo術の骨切り後の固定をあえてずらすことで膝蓋靱帯の脛骨側の付着部(脛骨粗面)を外側にずらし、脛骨粗面転移術と同様の効果をもたらしています。この術式をTplo-Mと呼ぶそうです。
本症例は手術翌日から患肢も使って歩いてくれており、手術翌々日に退院しています。退院時に包帯は必要ありません。
当院では専門性の高い整形外科手術が可能です。整形外科専門病院を紹介されたけれども遠くて困っているという飼い主様がいらっしゃいましたら、はら動物病院までご相談ください。