マダニ予防が通年必要な理由~ヒトの致死率30%の感染症SFTS~

こわいです。SFTS。
コロナ禍前から開業されている先生方なら、関東であってもフェイスシールドとかゴーグルなどをもともとお持ちなんですかね。
当院の開業は昨年で、オペ用ガウンやグローブはありますが、目を保護するものがなかったので発注しました。
私は眼鏡ユーザーですが、スタッフが対応することもあり得ますし眼鏡だけだと心許ないですし。
何の話かというとSFTS、日本語では重症熱性血小板減少症ウイルス感染症の話です。
人獣共通感染症です。
動物の感染経路としては、主に寄生したマダニからの感染ですが、発症した犬猫から飼い主や動物医療従事者への感染報告も出ています。
今のところ犬猫での発生は主に西日本ですが、静岡県での発生報告が出ました。関東での発生報告も間近だと思われます。
そして、関東で危険度が高いことがわかっているのは、ここ千葉県です。
野生動物のSFTSに対する抗体保有率が高まると、人やペットでの発生が出てくることが分かっています。
千葉県では既に野生動物の抗体保有率が30%程度あり、人での感染例が2017年に確認されています。(不明熱の保存検体を後にPCR検査して2017年の検体から陽性が出た)
この病気の恐ろしいところは、致死率が非常に高いことです。犬猫だけじゃないですよ。人間も亡くなる率が高いんです。
本稿執筆現在は、人で約30% 、犬で47%、猫で67%とされています。
ただ、犬は発生報告が少なく、発症した場合の致死率は高いものの、感染した場合の発症率は低いのかもしれません。しかし、もしそうだとしても大変恐ろしい病気です。
主にはマダニからの感染なので、人での真冬の発症は稀です。
しかし、犬猫ではヒトほど季節性が明確ではなく、1-2月の真冬でもそれなりの症例報告が出ています。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/2656-cepr/12668-sfts-ra-0801.html
冬場でも活動するマダニからの感染なのか、屋外飼育の猫ちゃんが野生動物から感染しているのかなどの詳細はわかりませんが、人が30%亡くなる病気ですから絶対予防した方が良いと思います。
ただ、まだ新しい感染症なので、マダニの吸血開始からどのくらいの時間でウィルスの伝播が起こるのか不明です。予防薬の種類にもよりますが、マダニの吸血から8~48時間程度経たないと駆除できないため、予防薬を使用していれば絶対感染しないとは言えません。しかし、他に有効な予防法はありませんので、屋外に出ることがある犬や猫は通年のマダニ予防が必須だと思います。
千葉県の野外にはSFTSが既に存在しています。
SFTSは犬でも猫でも人でも発症したら致死率が高い病気です。
マダニからだけでなく、発症した犬猫から人に感染します。
外に出ることがあるわんちゃん猫ちゃんは、マダニ予防薬を通年しっかり投与しましょう!
猫ちゃんは完全室内飼育をおすすめします。ただ、若い猫ちゃんは刺激が少ない分、毎日しっかり遊んであげましょうね。
わんちゃんは、ほとんどの場合はお散歩に出ることがあるでしょうから、通年のマダニ予防薬投与を行いましょう。
それは、わんちゃんのためだけでなく、飼い主さんご自身やご家族が病気にならないためでもあります。しっかり予防しましょう。
犬のマダニ予防薬は、毎月食べさせるタイプや4か月ごとに滴下するタイプなど、複数種類があってそれぞれ特徴があります。
予防薬の選択に関するご相談は、はら動物病院までご来院ください。