先天性代謝異常検査
当院は一次診療クリニックなので、できないことがたくさんあります。
当院から、○○動物医療センター的な二次診療動物医療施設をご紹介する理由で最も多いのは、CT検査のためだと思います。
設備がないとどうしようもないものはご紹介するしかありません。
しかし、設備の問題でなく知識や技術の不足で遠方へのご紹介は極力しないで済むように日々研鑽を積み重ねています。
そんな中、高アンモニア血症でありながら肝臓性の問題ではなさそうな症例を診察する機会があり、どのような疾患の可能性があるのか調べて行く中で、今まで知らなかった検査ができる検査センターがあることを知りました。
「MILSインターナショナル横浜ラボラトリ」です。
https://mils-animal.net/#news
内科セミナーで、例えばメチルマロン酸がどうこう、という話は聞いたことがありましたが、「一次診療で診ることはないだろうな」とか「検査しようがないしな」と思いこんでいました。代謝異常の検査はこちらにお願いできるのですね。
以下のページから検査が可能な動物病院を検索すると大学病院や動物高度医療施設も多数出てきます。
https://mils-animal.net/kainushi
こういうのはCTやMRIとは違い、大学病院だろうと一次診療クリニックだろうと結局は検査してもらう送り先が同じですから、可能な限り自院で検査・診断を行って行きたいと思います。
尿素サイクル異常の検査に関して探していて見つけたのですが、他にも非常に多岐にわたる先天性代謝異常の診断が可能なようです。
若齢からの繰り返す嘔吐や、抗てんかん薬でコントロールが難しい痙攣発作、ふらつきや脱力感などは先天性代謝異常かもしれません。
若齢時から他の犬や猫よりも体調が悪いことが多く、何かおかしい気がするけれども動物病院にかかっても診断がつかない、というような症状でお困りの飼い主様がいらっしゃいましたら、先天性代謝異常の検査をしてみても良いかもしれません。
特殊検査なので費用は高額です。4~5万円くらいかかると思います。しかし、尿検査なので動物への負担はほとんどありません。
愛犬/愛猫の診断がつかない体調不良でお困り飼い主さまは、はら動物病院までご相談ください。