膝蓋骨脱臼整復術




少し前ですが、膝蓋骨脱臼整復術を行いました。
今回もAmuse動物運動器外科サービスの高瀬先生にご執刀いただきました。
膝蓋骨脱臼整復術は4 in 1 methodでの手術が推奨されています。膝蓋骨脱臼の整復という1つの目的のために4つの手技を組み合わせた術式です。
すなわち、
①内側広筋と縫工筋前部の解放
②関節包の縫縮
③滑車溝造溝術
④脛骨粗面転移術
の4つです。
特に④脛骨粗面転移術は執刀医の力量を問われる手技だと思います。
この手技は、トップ写真にあるように、膝蓋骨から脛骨粗面に伸びる膝蓋靱帯の付着部を、内側に変位した状態から正しい位置にずらすというものです。
この部分の骨を一部残した状態で切り込みを入れて、わずかに外側にずらしてピンで止めます。
脛骨粗面転移術を行った場合は、行わない場合に比べて再脱臼のリスクが1/5程度になるとされています。しかしながら、骨切りした部分が剥離骨折を起こすリスクがあります。
せっかく手術するのであれば基本的には行うべき手技ですが、リスクの高い手技でもありますので、専門的な技術を持つ獣医師が行うべき手術です。
高瀬先生は年間300例以上の整形・神経外科手術を執刀されている獣医師で、中でも膝蓋骨脱臼の依頼が最も多いそうです。
一流の先生の手術は術後の合併症発生率が少ないのはもちろんですが、手術が的確で速いので麻酔時間が短く、動物への負担が少ないです。
骨折や脱臼など、整形外科領域の外科疾患でお悩みの飼い主様は、はら動物病院までご相談ください。