フィラリア症予防期間 2026年版

今年も共立製薬さんが前年の気温に基づく全国のフィアリア症感染期間(理論値)を発表してくれました。ありがとうございます!
院内用ポスターとして配布していただいているものです。HPも広義の院内になるみたいなので使わせていただきます。
これを元に今年2026年のフィラリア症予防を一緒に考えてみましょう。
傾向と対策
まず、最新データである2025年実績を上記画像から抜き出すとこの通り。

2024年はこちら

2023年はこちら

去年は猛暑だった印象ですが春先はそうでもなかったのですかね。HDUから考える理論値ベースの感染期間がどんどん早まっているということではないみたいです。
これまで通りの予防期間で良さそうですね。
当院の2026年フィラリア症予防方針
これまで通りです。
・フィラリア抗原検査
可能なら5/1~5/31の期間に検査を受けていただき、陰性確認後すぐに予防薬の内服を開始していただくことを推奨します。
それが難しい場合、早くても4/1以降の検査を推奨します。
※実運用としてのフィラリア抗原検査推奨期間は4/1~5/31
・フィラリア症予防薬の内服
5月~12月までの8か月間、毎月ほぼ同じ日に内服させることを推奨します。
HDUは理論値としての目安であって、実際の環境によりブレが生じます。また、フィラリア症予防薬は内服後に感染予防ができる薬ではなく、感染したフィラリア幼虫を駆除する駆虫薬です。感染期間が完全に終わってから最後の1回を飲ませることが大切です。
フィラリア抗原検査から内服開始までのギャップは長くても1か月を推奨

検査の感度も投薬による駆虫も100%とは考えない方が良いです。何事も絶対はありません。
理論上100%でも何らかのエラーはつきものです。知らないところで吐いていたとか。
そう考えると、11月にフィラリア症に感染している可能性があります。フィラリア検査は成虫を検出する検査です。感染後最短でも5か月以上は経過しないと陽性にならないと言われます。
11月の感染を検出しようと思ったら、可能なら5月に検査が望ましいですし、早くても4月だと思います。
3月の検査では検査の感度が下がる上に、もし投薬開始が5月からだとすると、投薬開始時にはミクロフィラリア血症となって副作用のリスクが高まっている可能性があります。
つまり、以下のような可能性があると思います。
10-11月に感染→何らかの理由で駆除できなかった→3月検査ではL4子虫が体内にいるが検出できない→5月の投与開始時には成虫に成長しミクロフィラリア(子虫)を産んでいる→それを知らずにフィラリア症予防薬投与で副作用出現
よって、投薬開始が5月からなので、5月に検査してすぐに内服開始するのが理想的です。
ただ、全ての飼い主様に5月にご来院いただくのは、飼い主様のご都合としても動物病院のキャパシティーとしても実質難しいので、当院では4月になってからの検査であれば良しとしましょう、ということです。
まとめ
当院の2026年フィラリア症予防の検査・投薬の推奨は例年通りです。
・検査推奨期間は4/1~5/31
・投薬推奨期間は5月~12月
以上が当院の方針です。
上記内容に関してご質問があれば、当院の患者さまからであれば診察時や公式LINEのチャットで承ります。
ただ、「他院で違うことを言われた」ということに関しては当院ではお答えできません。その動物病院でどうしてその方針なのかを聞いてください。
当院が、この検査/投薬推奨期間である理由はこの通り開示しております。
一時期に極端に混雑しないようにという点と安全性とを天秤にかけて、それぞれの動物病院が方針を決めていると思います。

