薬機法の承認を得た再生医療製剤「ステムキュア」
動物でも、間葉系幹細胞による再生医療が行われています。
「幹細胞による再生医療」というと、あたかも全能性を持った凄い細胞が壊れた組織に分化して治してくれる、というようなイメージを持たれると思いますが、そうではありません。
ステムキュアに配合されている間葉系幹細胞は、脂肪細胞・骨芽細胞・軟骨細胞への分化が確認されているものではありますが、直接壊れた組織に分化して治すというよりは、優れた免疫調整作用により組織修復を促すと考えられています。
再生医療というと、ちょっと怪しいと感じられる飼い主様もいらっしゃると思います。
品質の第三者保証のない、動物病院の診療施設内で培養された細胞の投与なども行われています。
しかし、このステムキュアは、世界初の動物用再生医療等製品として認可された製剤で、その品質と薬効が公的に認可された製剤です。
承認された効能効果としては、「犬胸腰部椎間板ヘルニアに伴う臨床症状の改善」ですが、飼い主様の同意があれば獣医師の裁量において効能外使用をすることも可能です。
免疫調整効果により効果が期待できると考えられている効能外の疾患としては、炎症性腸炎や自己免疫性溶血性貧血などがあります。
投与には1回15万円程度必要な非常に高額な治療ですが、症状が改善すれば内服薬やサプリメントの減量、検査頻度の減少によるその他のコストの低減も期待できます。
非常に高額な治療ではありますが、椎間板ヘルニアだけれども年齢やその他の病気でリスクが高く手術ができない、免疫疾患の治療に行き詰っているができることがあるなら何でもやってあげたい、などの思いから間葉系幹細胞治療をお考えの場合は当院までご相談ください。
※1
100%効果が期待できる治療法ではありません。
※2
在庫できる薬ではありません。投与日時を決めて、当日に-80℃で輸送されてくる本剤を解凍後点滴投与します。
※3
当院では基本的に腎臓病に対しての間葉系幹細胞投与は行いません。血圧や蛋白尿の検査など標準的な検査を行っていて、更に二次診療施設での腎生検で免疫複合体糸球体腎炎であることが確定診断され、かつ、標準的な免疫抑制療法が無効である症例であれば検討します。
※4
本件に関して初診の方の電話相談はお断りしております。