ヒトの猫アレルギーを猫のフードで低減
猫アレルギーってありますよね。人の。
私はないので実際のところはよくわかりませんが、特にお子さんに発症してしまうと結構酷い症状になることもあるようで、結果として愛猫を譲渡しなければならない悲しい事態になることもあるようです。
そういう経緯で猫ちゃんを引き取られた子の診察をしたこともあったように思います。開業前の勤務先だったと思いますが。
ヒトが健康に生活するためには仕方がないケースもあるかと思いますが、ペットとのお別れは悲しく辛いものです。
できる限りの治療をした病死であれば気持ちの整理もつきやすいと思いますが、特にお子さんのアレルギーのためにペットとお別れしなければならない場合、お子さんも深く傷つくだろうことは容易に想像ができます。
私もそこを考えて、しばらく猫が飼えませんでしたし。子供が耳鼻科で行ったアレルギー検査で猫のIgEがやや高めだったのです。開業したので最悪の場合は自分の動物病院で飼えばいいや、となりまして愛猫ぽんちゃんをお迎えしましたが、雇われている間は飼えませんでした。結果的には今のところ子供のアレルギーは大丈夫そうですが。
で、前置きが長かったですね。そんな猫アレルギーを猫に与えるフードで低減しようっていうのがこのピュリナのフード リブクリアです。
https://nestle.jp/brand/purina/proplan/pp/product/cat/liveclear/
フードで猫のアレルゲンを減らすなんて、猫の健康に悪影響を及ぼしかねないのではないかと考えてしまいますが、猫の体質を変えさせるようなものではなく安全です。
猫アレルギーの原因の多くは猫の唾液中に含まれるFel d1という原因物資だそうです。グルーミングにより全身の皮膚・被毛に付着し、それが環境中に飛散します。それが人に作用することでアレルギー症状を発症します。
このフードはFel d1抗体を含んでいるので、口腔内でFel d1が不活化するそうです。猫ちゃんの代謝には影響せず、口の中でFel d1が不活化するだけなので猫の健康に悪影響はありません。抗体はタンパク質ですから消化管に入れば分解されてしまいます。
ただ、機序から明らかなように、原因物質が100%なくなるわけではありません。給与開始後3週間で活性型Fel d1の量が平均47%減少するということです。
ですから、このフードに変えれば万事解決ということにはならないかもしれませんが、症状が軽減できるかもしれません。愛猫とお別れせずに済むかもしれません。
現在は特定の小売店でしか販売されていないそうですが、10月からは販路が拡大するそうでいろいろなところで買えるようになるみたいです。
猫ちゃんの病気のための療法食ではありませんので、動物病院である当院で商品在庫を持つことは考えておりませんが、10月以降であれば当院でもお取り寄せ販売はいたします。試したいけれど購入先がわからないという方がいらっしゃいましたら、お電話等でご相談ください。ご購入は当院のご利用歴がある飼い主様に限りますので、そうでない方はまずは動物を連れて診察にいらしてください。