総合健診(ペットドック)で見つかった病気 ~経過観察編~

総合健診(ペットドック)を受けていただくと、こんな病気が見つかることがありますよ、という実例のご紹介です。
当院スタッフの愛犬ゆずちゃんのその後の経過です。
ゆずちゃんの総合健診の様子はこちらです。

体調に問題がなくても一か月後には再診ね、ということで診察しました。体調は良好です。
心雑音はまだ出ていなかったです。
気になっていた子宮ですが、こんな状態でした。

前回は膀胱背側の子宮体部のみの液体貯留でしたが、子宮角まで液体貯留が出てきているようです。内膜の肥厚・炎症も疑われる像だと思います。
画像上の異常は顕著になっている一方で、白血球数は正常に近づいており相変わらず目に見える症状は何もありません。
おそらく現在の状態は子宮水腫であって子宮蓄膿症ではないのでしょう。
しかし、今は良くても今後繰り返される発情後にいずれ子宮蓄膿症に進行する可能性が高いこと、更には僧帽弁逆流(心臓病)が発症する可能性も高く、心臓病発症後は麻酔リスクが高くなることなどから、今度避妊手術を行うことになりました。
当院では若齢犬猫の避妊手術は卵巣摘出ですが、このように子宮の異常を伴う場合はもちろん子宮も摘出します。

無事に手術が終わりましたら、またブログでご報告するとともに、健康診断+αの報告書としてまとめて待合で皆さまにご覧いただけるようにいたします。
ゆずちゃんは無症状で急を要す状況ではないので、今月末の手術を予定しています。

このように、病気の早期発見・早期治療を行うことが健康診断の目的です。
健康診断を受けただけで満足してしまって異常の再検査にいらっしゃらないと健康診断の意味はなくなってしまいますので、追加検査や再診の指示があった場合はしっかり必要な検査や治療を行いましょう。

ゆずちゃんの手術に関してはこちら。※臓器写真あり。苦手な方は開かないでください。