不明熱として抗生剤試験投与されていたFIP症例

原因不明の発熱として治療されていた猫ちゃんが来院しました。
当院での検査でFIPと診断がつき、その後の治療で治癒しましたので経過をご報告いたします。

発熱・元気消失で他院を受診。血液検査を行い抗生剤の注射による治療を受けた。改善がなく再診に行き、解熱剤の注射を受けた。
レントゲンなどの画像検査は未実施。

・血液検査
他院で実施していますが経過を確認するために実施しました。
・胸部/腹部レントゲン検査
腫瘍性疾患や肺炎などの有無を確認するために実施しました。
・胸部/腹部エコー検査
レントゲンでは見つからない病変がエコーで確認できることもあるため実施しました。

ここまでの検査で胸水貯留や血液検査異常を確認しました。

トップ画像はこの猫ちゃんの胸水とリバルタテストの写真です。
リバルタテストは、院内で簡易的にできる貯留液検査でFIPの場合には写真のように白いものが残り、そうでない場合には貯留液を垂らしても消えて見えなくなります。

その後、胸水の猫コロナウィルスPCR検査を行い、臨床的にFIPであるという診断に至りました。

本例はモルヌピラビルを12週間投与し、その後本稿執筆現在9か月程度経過しておりますが再燃もないため、治癒したと考えています。
5年くらい前までは不治の病だったFIPが現在は9割程度治る疾患になりました。比較的安価な薬も使用できるようになっています。

FIPは診断が非常に難しいタイプもありますが、腹水や胸水が溜まるウェットタイプの診断は容易です。
動物病院での最低限の検査は、ミニマムデータベースと言われるもので、①シグナルメント(年齢・性別など)②身体検査所見③血液検査④尿検査です。
当院では、しっかり診断が必要な病態に関しては、これに加えて胸部腹部のレントゲン検査とエコー検査を行います。
ここまでが麻酔/鎮静なしに行うことができる検査です。

当院のレントゲン機器は、フィルムやCRでは検出が難しかった尿管結石なども比較的明瞭に描出できるDR方式のレントゲンシステムを導入しています。
エコー機器は、カラードプラ機能を備え腹部も心臓も一次診療で使うには十分な性能のARIETTA65を使用しています。

血液検査のみでは診断がつかない病気も多いです。重症疾患では、適切な診断・治療に画像検査が必須であることがほとんどです。
愛犬/愛猫の体調不良が改善せずにお困りの飼い主様で、レントゲン/エコー検査を全く実施してない、もしくは、どちらかしか行っていないという飼い主様は、はら動物病院までご相談にいらしてください。