猫の便秘・巨大結腸症

猫の巨大結腸症とは慢性的に便秘が続いた結果、結腸の運動性が低下し持続的に拡張してしまった状態です。
病理学的変化としては、蠕動調節細胞(カハール間質細胞)の減少や結腸炎が生じていることが知られています。
一般的な治療法としては、
・摘便
・高繊維食、食物繊維サプリメント
・下剤
・消化管運動改善薬(モサプリド)
の組み合わせで維持管理を目指し、それでも排便のコントロールが難しい場合は結腸の摘出手術が選択されることもあります。

しかし、治療抵抗性の便秘猫10頭に対して、ある整腸剤を90日間投与する試験で、便秘スコアの平均が10段階評価で7.7から1.8まで改善したという報告があります。

交通事故等による骨盤骨折からの狭窄による便秘は、狭窄部を拡張する手術が必要ですが、そうではない便秘の場合は内科的に改善する可能性があります。
巨大結腸症で、
・動物病院で定期的に浣腸や摘便をしている
・結腸の摘出手術をすすめられている
といった猫ちゃんの飼い主様は、是非整腸剤を試してみましょう。

整腸剤なら何でも良いわけではありません。文献で紹介されている整腸剤を文献の投与量で使用する必要があります。
整腸剤の投与で猫ちゃんに対して副作用は全くありません。
巨大結腸症でお困りの猫ちゃんの飼い主様は、はら動物病院までご相談にいらしてください。