猫の慢性腎臓病 標準治療+α

猫ちゃんは慢性腎臓病になることは非常に多いです。
その他の病気で早期に亡くなることがなければ、ほとんど全ての子で罹患するのではないかと感じるくらいです。
話題のAIMタンパクが機能しないという要因もあるのでしょうし、腎臓の構成単位であるネフロンの数が他の動物に比べて少ないことも一因として挙げられています。
AIMタンパクの治療薬の早期完成が期待されるところですが、現段階でもできる治療は数多くあります。

以下は当HPのインターネット通販ページとほぼ同じ内容ですが、
まず、標準治療として
・ステージに応じたリン制限食を与える
・タンパク尿や高血圧があればその治療(テルミサルタンやアムロジピンの内服)
・食欲不振や嘔吐があればその治療(ミルタザピンやカプロモレリンの内服)
・低カリウム血症があればその治療(クエン酸カリウムやグルコン酸カリウムの内服など)
・脱水傾向にあれば補液(点滴)
といった治療があります。これが基本です。

これに加えて効果があるかもしれないこととしては、
・ベラプロストナトリウム(ラプロス)の内服
 血管の保護・拡張、抗炎症、抗血栓作用により腎機能の低下を抑制するとされています。
・サイボミックスなどの整腸剤の内服
 結腸由来尿毒症物質(インドキシル硫酸など)の低減
 下痢にも便秘にも有効なサボミックスですが、慢性腎臓病にも効果が期待できます。
・アミンアバストの内服
 腎機能温存効果(抗酸化作用など)が期待されるアミノ酸サプリメントで、慢性腎臓病の進行を抑制する可能性があります。
 しかも、猫ちゃんにとって非常においしいようで、アミンアバストのカプセル内の粉をフードにかけると今まで以上によく食べてくれるかもしれません。体重の維持も病気の進行防止に重要です。

標準治療+ラプロスまでは多くの動物病院で同様の治療がされていると思います。サイボミックスやアミンアバストまでご提案できる動物病院は多くはない印象です。
元気な愛猫と少しでも長く一緒に過ごすために+αの治療も行いたいという飼い主様は、はら動物病院にご相談ください。