(低脂肪~超低脂肪)手作り食

※2023.04.04
Blance ITのサイトがリニューアルされたので使ってみたのですが、上手くレシピが出てきません。
旧サイトで5kgの犬の低脂肪食レシピは出してありますが、現在このサイトを使って様々なレシピをご提供することができない状況です。使えるようになりましたらまたご報告いたします。
以下は旧サイトが使えていた時のブログです。

こんにちは。原です。

食事管理はペットフードを与えるのが圧倒的に手軽です。最近はドライフードや缶詰/パウチのウェットフードに加えて、フレッシュフードという手作りに近い総合栄養食も登場しているようでして、栄養基準を満たしているものを与えるのが安心だと思います。
しかし、人が食べるものと同等の品質の生鮮食品を、犬や猫の栄養要求を満たすように与えることができるのであれば、それが最善ではありますよね。
当院の患者さんでも手作りしている方がいらっしゃいます。凄いですよね。

AAFCO(全米飼料検査官協会)の基準を満たすように飼い主様ご自身で手作りできるのであればそれで問題ないのですが、普通はなかなか難しいですし、また、近年問題となるのは食事を低脂肪に保ちたいわんちゃんの場合です。
慢性下痢を起こす蛋白喪失性腸症は、腸リンパ管の負担を減らすため、食事を低脂肪にする必要があります。
療法食として販売されている低脂肪食では改善が乏しくても、手作りで超低脂肪にすることで状態が良くなる子もいます。
治療導入期の超低脂肪食は、わんちゃんの栄養要求の基準を満たさないほどの超低脂肪です。必須脂肪酸が足りなくなるため、そのままのレシピで長期給与は望ましくなく、手作り食であってもある程度脂肪分やその他の栄養素を足していく必要があるようです。
療法食で最も低脂肪なのは、ピュリナの低脂肪食で脂肪分は15-16%です。手作り食にして限界を攻めても14%程度のようなので大きく変わらないかもしれませんが、少しでも脂肪を制限したいとか、ピュリナの低脂肪食を食べてくれないという場合には手作り食を続けることが選択肢になります。

BalanceIT.comというwebサイトがあります。犬と猫の手作り食のレシピを提案してくれるサイトです。不足する栄養素はBalanceITで販売されているサプリメントで補うことができます。アメリカのサイトなので英語ですが、最近はwebブラウザである程度は翻訳できますので英語が苦手な私でも何となくは理解できます。
ただ、このサイトで超低脂肪食のレシピを作ってもらってもキャノーラ油などの油分を必ず添加しなければならず、そこに疑問を持っていたのですが、専門医の先生のご講演を聞くに、必須脂肪酸を摂るためには少量の油分の添加が必要なのだそうです。
油分を加えなくてはならないことと英語が苦手なことからBalanceITを利用するのをためらっていたのですが、長期給餌可能な手作り低脂肪食でお困りの飼い主様もいらっしゃるのでBalanceITに獣医師登録を行いました。BalanceITの低脂肪レシピでの治療は、専門医の先生も実際に行っているそうです。

当院では、税別¥3,500でBalanceITの獣医師用レシピをご提供いたします。レシピで必要なBalanceITサプリメントの購入は、私の獣医師コードをお伝えいたしますので飼い主様ご自身でwebサイトから直接購入されることをおすすめします。ご希望があれば当院で取り寄せることもいたしますが、かなり割高になります。

BalanceITは、超低脂肪食に限らない様々な病態や、健康な犬猫に対しても豊富な食材リストを選んでレシピを作成することが可能です。病気の子向けのレシピ作成機能は獣医師登録しないと使えないようですが、健康な子向けのレシピであれば一般の方でも利用できると想います。

サプリメントを用いて栄養基準を満たす手作り食を与えたいという飼い主様(特に慢性腸症で手作り低脂肪食の長期給与が必要な犬の飼い主様)は、はら動物病院にご相談ください。