慢性病をはっきりさせるチャンス ~甲状腺機能低下症~

5月からフィラリア症予防薬を飲ませていただくようにおすすめしていますので、その前に今までの感染がないかどうか血液検査をしていますよね。
どうせ採血するのであれば、ということでついでに健康診断の血液検査(血球計算や肝臓値・腎臓値・電解質など)をおすすめしています。当院の場合、健康診断の血液検査は血球計算と血液化学19項目で¥5,600くらいです。これは検査センターに測定依頼するので結果のご報告は後日LINEでお送りしています。(ご希望があれば郵送もしています)病気の時に院内機器で測定すると、その場で結果は出ますが、料金は約2倍くらいです。
(※フィラリア抗原検査は別途¥2,200です。)

何で安くできるのかというと、検査センターが安く測定してくれるからです。健康診断の血液検査と同時に依頼する場合に限り、オプションで割安に測定してくれる項目があります。
そこで、今までに獣医師から測定をすすめられたけれども何となく先延ばしにしてしまって...という項目をついでに測定してみてはいかがでしょうか。代表的なのは甲状腺ホルモンです。

甲状腺機能低下症は主に犬の病気です。猫は稀です。猫は逆に甲状腺機能亢進症が多いです。
犬の甲状腺機能低下症の症状は、太りやすい、皮膚病になりやすい、活動性の低下、高脂血症などで、すぐにどうこうなってしまうものではないのですよね。甲状腺機能低下症がなくても生じうる症状ですし、獣医師としてもかなり確信がないと強くおすすめしづらいところがあります。
ただ、もしこれらの症状が甲状腺機能低下症からであれば、甲状腺ホルモン剤の内服でものすごく良くなるのです。足りないホルモンを補充するわけですから副作用も少ないです。スリムになって元気になって皮膚病が治り毛艶も良くなります。

以前から「あやしいな」と思っていた症例が、いよいよ症状が顕著になりまして、これはさすがにほぼ間違いないだろうと思って強くおすすめしたところ、やはり甲状腺機能低下症が確定した症例がありました。(開業したばかりなのに以前から、というのは前職時代から診ている子だからです)
以前にも提案はしているんですよね。ただ、提案なんです。主導権は飼い主様にある感じ。そうすると、「検討します」とか、「また今度」になっちゃうんですよね。今回は、提案というか「たぶんそうだから検査した方がいいです!」という強めの推しをいたしまして、検査の同意をいただき確定したという経緯です。
もっと前に確定させてあげて内服をはじめていれば、もっと早く快適に過ごせるようにしてあげられたのかな、と少し反省しています。
が、なかなか難しいです。費用がかかるので。過剰に検査をすすめる悪徳獣医師と思われても嫌だし...

当院では甲状腺機能低下症を疑った場合の最初のホルモン測定はTSH(甲状腺刺激ホルモン)とT4(甲状腺ホルモン)の2項目を測定しています。通常¥9,200ほどかかりますが、健康診断の外注血液検査(約¥5,600)と同時に行うのであれば約¥6,600で検査できます。
(結果が微妙な場合はしばらく空けて再検査、もしくはfT4(遊離型甲状腺ホルモン)とTgAA(抗甲状腺抗体)を測定してみるかご相談になります。)
太っていて皮膚が弱い感じで、毎年高脂血症があると言われていて、甲状腺ホルモン測定してみますか?と言われながらも、別に大きな問題はないから何となく先延ばしにしていて...という飼い主様で、まだ今年フィラリア抗原検査を行っていない場合は甲状腺検査を行ってみてはいかがでしょうか。
(フィラリア抗原検査をせずに健康診断の血液検査のみも可能ですが、その場合は採血料が約¥1,750かかります。フィラリア抗原検査を行う場合は採血料はかかりません。)

費用例
診察料+フィラリア抗原検査+健康診断の血液検査+甲状腺検査(TSH+T4):¥15,285(税込み)
※フィラリア症予防薬は別料金