猫ちゃんのストレス緩和・軽度鎮静薬 ガバペン

どうもぽんちゃんです。
我が家にやってきて早4-5ヶ月くらい経ちますが、覚醒時はこの身構えっぷりです。噛み噛みです。

↑これが、こう↓なります。

ガバペンチン(商品名:ガバペン)というお薬を飲ませると、こんなにおとなしい子になっちゃいます。
ぽんちゃんは、それでも爪切り時に多少噛んできますが甘噛み程度になりますし、完全に眠ってしまうような薬は逆にこわいので、そのくらいの方が安心です。
ガバペンを飲ませると大人しくはなりますが、自分で歩けますし飲食もできます。血圧への影響もほとんどないそうです。

ガバペンのガバはGABAです。
ちょっと前のチョコレートのCMで「ストレス社会で戦うあなたに。GABA(ギャバ)」っていうコピーがありましたよね。
GABAは抑制性神経伝達物質で、神経の興奮を抑える方向に働きます。ガバペンはこれの類縁物質です。犬猫の治療薬としては、難治性のてんかん発作や神経性疼痛に用いられます。
副作用として鎮静効果があるのですが、この鎮静が猫ちゃんにはほどよく出てくれます。そこで、輸送や診察ストレスの緩和に用いられます。

猫ちゃんの元気が良いのは性格ですからね。噛むからと言って毎日飲ませるのはダメだと思いますが、毎月の爪切りで飼い主さんが血まみれになりながら猫ちゃんを無理やり押さえつけて...というのは人にとっても動物にとっても良い状態ではないと思います。必要なお手入れのために月イチくらい薬に頼るのは良いのではないでしょうか。
また、猫ちゃんは動物病院での診察・検査が困難なほどの興奮状態になる子もいますので、そういう子はご自宅でガバペンを飲ませた上で診察や予定の検査を受けた方が、猫ちゃんにとっても飼い主さまにとっても動物病院にとってもハッピーです。

大変良い薬ですが、ほどよく効く弱い薬なので、既に興奮状態の猫ちゃんには効きません。
また、飲み薬なので、そこそこやんちゃな猫ちゃんに一般の飼い主さまが上手く飲ませられるのか、という問題もあります。
更には長時間は効きません。一般には90-120分後くらいに効果がある状態になって、そこから1-2時間持つかどうかくらいと言われています。
ぽんちゃんは60分後くらいにはかなり効いていて、そこから2時間くらいは効果が持続していたと思います。その後、徐々に元に戻ります。突然パチっと切れてしゃっきりするわけではありません。少しずつ戻る感じです。

検査等で必要な場合はこちらからガバペンの使用をご提案いたしますが、爪切り等のお手入れで使いたいというご希望がある場合は、まずは診察にいらしてください。神経系に作用する人体薬なので、少ない回数分の処方でかつ、前回処方からの日数等もしっかり確認しての処方となりますが、ご希望の場合はご相談ください。

動物病院に連れてくると怒ってしまって検査どころではなくなる猫ちゃんがそれなりに高齢になったため、健康診断をご希望になりました。
怒る猫ちゃんでも、採血とレントゲン検査はできることが多いですが、エコー検査や血圧測定はできないことがほとんどです。
ガバペンをご自宅で内服後に連れてきていただいたところ、それでもまぁまぁ怒っていましたが(笑)、採血・レントゲン撮影だけでなくエコー検査まで実施することができました。
お薬の作用としてはその程度で、「若干大人しくなってくれるかも」くらいですから怖い薬ではないかと思います。
動物病院でいつも怒ってしまうので健康診断が受けられず困っているという飼い主様は、ガバペンを内服しての健康診断をご検討ください。
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