異物による腸閉塞 ※注意! 記事トップに臓器写真あり
左写真の青丸部分に右写真の異物が閉塞していました。
閉塞部より右側が頭側で腸が拡張していますね。左側が尾側で正常な外観です。
本例は初診の猫ちゃんです。
猫の異物と言えばひも状異物が多いですが、こういった消化できない塊状のものでも腸閉塞になることがあります。異物としては小さい印象です。2cmにも満たないものでも閉塞してしまうのですね。形状がひっかりやすそうなのも影響していると思われます。
異物の誤食は病気というよりは事故ですね。
事故は注意して防ぐことが大切ですが、完全に防ぐことはできません。
異物による腸閉塞は、閉塞後早期であれば術後経過は良好なことがほとんどです。閉塞して長期間経ってしまうと腸が壊死してしまうことがあります。
早期であれば腸切開→異物摘出で済むところが、経過が長いと腸の一部切除→端端吻合が必要になります。切開と吻合ではリスクが大きく異なります。
本例は症状が出て早期に当院を受診してくださり、即日手術を実施したため腸切開で済み、術後経過は良好でした。
飼い主様が早期に動物病院を受診することと、ある程度費用がかかっても獣医師が必要と考える検査を全て実施させていただけることが大切です。
水を飲んでも全部吐いてしまうほど激しい嘔吐の症状が突然出た場合は、異物による腸閉塞かもしれません。
愛犬/愛猫の体調不良の際は、初診でも必要があれば即日手術まで実施する、はら動物病院までご相談ください。